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身を捨てる

社交不安障害(あがり症)が辛い

社交不安障害になってから10年が過ぎたことに気付いてしまった。もうすぐ、人生で今までに体験したことがない、緊張する場面に向き合わなくちゃいけなくて、今から不安や緊張が強い。文章として残すことでなにか変わるかもしれないので、自分の記録として書きます。

 

わたしは他の人の社交不安障害の人の体験談などを読むと「こんなところでも緊張する要因があるんだ」と気付いてしまって、余計に症状が悪化してしまうかもしれないという不安もあるので、この文章に共感できる人はこの記事は逆にあまり読まない方がいいかもしれません。

 

 

①わたしの社交不安障害(あがり症)の症状

わたしが緊張したときに一番出る、一番自分を苦しめている症状は「頭(首)の震え」です。

緊張して声や手足が震えてしまう人は社交不安障害の人だけでなく、誰しもが経験し得ることだと思います。「書痙」という言葉が存在するというのは、裏返すと「人前で文字を書くときに緊張する人が多いからそれを表現する言葉ができた」のだとわたしは考えます。

でも、「緊張で頭(首)が震える」人ってあんまりいないんです。わたしは現実で出会ったことがないし、「緊張 頭 震える」みたいな言葉をGoogleTwitterで調べてもあまりそんな症状を抱えている人はいません。

 

わたしは実際に緊張で頭(首)が震える人に会ったことがないですし、当事者側なので憶測ですが、例えば他人が緊張で声や手が震えてる人を見ても多くの人が「緊張してるんだな」ぐらいにしか思わない気がします。でも、そういう場面で頭(首)が震えている人がいたら緊張云々の前に「どうしたんだろう、この人?」と怪訝に思ってしまう人がほとんどな気がするんです。たぶん、わたしの緊張の症状がもっと一般的なものだったら社交不安障害はこんなに酷くなってなかったと思います。

 

頭(首)の震えを詳細に表現するならば、首が凝り固まって筋肉が緊張して震える感じ。同時に視界が狭くなって呼吸がしにくいと思う時もあります。

 

 

社交不安障害は「予期不安」という「また緊張して症状が出たり、うまく立ち回りできなかったらどうしよう」みたいな症状がありますが、わたしの場合「緊張が怖い」というより「緊張によって頭(首)が震えるのが怖い」んですよね。

 

 

②社交不安障害(あがり症)の症状が出るとき

わたしが自分なりに症状が出るシーンを考えると、

「人の視線(意識)が自分に向けられている時」「動いてはいけない状態の時」が挙げられます。

 

その両方の条件を満たすビッグイベントといえば面接ですが、日常的なものだと歯医者や美容院が当てはまります。一瞬で終わりますが眼科の眼圧検査や検診も苦手です。

「頭が震えて動くと治療や施術に影響が出る」と考えると余計に緊張してしまいます。マンツーマンで他者と対面して、「見られてる(意識されてる)」と考えると首の辺りがこわばってきてしまいます。

 

あとまつ毛パーマとかネイルサロンとかそのような状況が想定されるようなところは行きたくてもどうしても不安が強くて行けない辛さがあります。

 

そういう苦手な状況に行かなければならないときは抗不安薬を飲んでいくようにしてます。

わたしの場合、緊張する最初の5分10分ぐらいが重要でそこを乗り切れれば「もう大丈夫」だと思えて他のことに気を逸らしたりすることができますが、その短時間に感じてしまう不安や緊張が飛び抜けて強いので、その辺りも苦痛です。

 

ちょっと気になるけど薬を飲むほどではない状況もあって、それは映画やライブを鑑賞するときです。後ろの人の視線が気になってしまうと肩が凝り固まってきてしまいます。

「後ろの人の視線が気になる」が顕著に出てたのは学生時代の頃で、一番症状が辛いときは授業の板書をするのに黒板も見れない、ただ座ってるだけでも頭が震えしまう時がありました。

今はそのような状況になることはないのですが、映画館では後ろに人が来ないような座席を選んだしています。

 

あとは映画やライブは内容に集中したり、あえて時々首を動かしたりして気を紛らわせてます。たぶん、後ろの席の人もわたしの頭は視界に入ってるとしても「意識」は画面の中の物語だったり、ステージ上のアーティストに向けられてるんだと思います。視線を向けられたとしても「意識」はされてないと考えると、美容院や歯医者に比べるとマシな気がします。

 

 

よく社交不安障害な人が挙げる苦手なシチュエーションには「発表」や「電話」「文字を書くこと」があると思います。

 

わたしは在職中は人生が掛かってる重要な「発表」をしたことがないので、そういう失敗できない状況下ではまた心情も違ってくるはずですが、どうでもいいような内容だったりする発表は対象者が多いときには一応抗不安薬を飲んで挑んでました。でも気持ち的には美容院とか歯医者とかより断然楽でした。「発表」は動いてはいけないシチュエーションではないので。あと、どうでもいい発表だったらほとんどの人は自分のことなんて意識してないし話も聞き流してるだろうと考えてました。

 

「電話」は一対一のやり取りでときには重要なやりとりもあります。向こうから意識は向けられているものの、相手からの視線はないので電話を掛けたり受ける行為自体には緊張しません。ただ、「電話でやり取りしてるのを他の人に見られてるのが緊張する」という思考をどこかで知ったことがあって、わたしが仕事で電話を受ける状況は大体騒がしく、他の人も自分の仕事をしているシチュエーションが多かったのでそれには当てはまりませんが、もし周りがシーンとしてて自分の返答に聞き耳立てているような雰囲気だったら電話が苦手になってしまうかもしれません。

 

「文字を書くこと」は大勢の人の前でやった経験はほとんどないし、一対一だとしても人生でそれほど重要な書類を書いたこともないのであまり緊張しません。

 

 

あとは「会食」ですが、症状が出やすいときや行ったことがないお店で誰かとご飯を食べるときは少し震えてしまう時があります。でも、会話やご飯に気を向けるようにしたり、勇気を出して相手を見ると「あんまりこっち見てないな」って気付けて、食事中ずっと震えてるということはないです。

ただ一番ひどいときは、人前でペットボトルの水を飲む時も頭が震えてしまったり、「咀嚼音が周りに聞こえたらどうしよう」とお弁当をほとんど噛まずに飲み込んでたりしたこともあります。

 

 

③社交不安障害(あがり症)の対処法って何だろう?

社交不安障害って治すの難しいな、って思います。元々の不安を感じやすい体質に過去のトラウマが合わさって、それによってこれから起こる緊張状況を不安になって、回避しようとして……だからどうしたら治るんだろうって予期不安のときはいつも考えてしまいます。

 

わたしは前の病院ではデパスを飲んでて、今の病院ではソラナックスを処方されてます。

 

抗不安薬の作用について調べると、お薬によって効く時間や強さが違うことが分かりますが、筋緊張(筋肉の強張りを緩める)の効力にも差があります。筋緊張を抑える力が強い=震えにくくなる、のでわたしにとっては重要な要素なんです。

 

デパスソラナックスより筋緊張に効きやすいです。初めてデパスを飲んだときは専門学校面接の前だったのですが、足の力が抜けてふらふらする感じすらありました。出来ればデパスを飲み続けたかったのですが、デパスは依存性の問題などから処方されにくくなり、個人輸入もできなくなってしまったので、今はソラナックスを服薬してます。(もちろんソラナックスにも依存のリスクはあります)

 

 

ただソラナックスを飲んでても、わたしは緊張するイベントの最初の5分10分くらいが不安MAXなので、最大血中濃度(一番薬が効く時間)にそこを合わせてても頭が少し震えてしまうことがあります。

 

 

前に歯医者で頭が震えすぎて治療を途中で10分ぐらいおやすみさせてもらったことがあります。かなり大きい病院でそのとき先生が「頭の震えがあり、一時治療中断」みたいな文章を電子カルテに打ち込んでるのを見てしまい「あーもうーやっちゃったー」とめちゃくちゃショックだったことがあるんですけど「もう一回震えちゃってバレたし、別にもういいや」って諦めがついたのか、再開したあとはさほど震えずに治療を終えられたことがあります。

 

だから「頭(首)が震える」ことよりも「頭(首)が震えてはいけない」という考えの方が今の自分を苦しめてるのかもしれませんが、そこを治すのはかなり困難です……。

 

わたしの場合「震えちゃいけない」「震えたらどうしよう」と考えを向けるより、「今やられてること」に感覚を向ける方が気持ちが楽になります、ほんの少し。

例えば歯医者の治療だったら、歯を器具で触られたり、口を引っ張られたり。美容院だったら髪の毛を切る音とか触られてる感じを意識するようにします。まぁダメなときはダメですが……。

 

 

震えていい、震えることを諦めるのってかなり難しいなって思うエピソードが一個あって、証明写真の機械で履歴書の写真を撮ったときもわたしは頭が震えてました(笑)だれからも見られてないし、震えてもいい状況下なのに、それができないって……とより自分を思い詰めてしまいます。近々また証明写真を撮らなければいけないのでちょっと憂鬱です。

 

 

④わたしの今の状況

わたしは今予期不安に駆られてこんなブログを書いてるんですけど、もうすぐ「人の視線(意識)が自分に向けられていながら動いてはいけない状態の時」を経験しなければいけないからです!それは美容院でもなく、歯医者の治療でもないので、本当に人生初めての経験でかなり不安になってしまいました。

 

10分から15分ぐらいで終わるらしいのですが、わたしの場合掛かる時間はそこまで重視してないので短時間であっても不安で緊張するものは怖いんだよ!!って感じです。

でも、普通の社交不安障害じゃない人にとっても緊張するようなシチュエーションだと思うので、自分がこんなに予期不安を感じてしまうのもしょうがないです。当日はもちろんお薬を飲んでいきます。うまく行っても、うまく行かなくてもブログにはその日のことを書こうと思います。