みをすつ

身を捨てる

ひとりで行った大阪

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GWに大阪日帰り旅行をした。わたしは無職なのでGWは関係ないのだが、なぜわざわざその期間にしたかというと行きたい推しのイベントがあったからだ。

 

わたしが好きな界隈ではほとんどのイベントは配信やDVDで視聴ができるが、そのイベントは映像化されないと事前に告知されていてそれを知ったとき「これは絶対行きたい!」と思った。会場が大阪なのを知った時は、遠方なので一瞬の迷いが生まれたが「わたし仕事してないじゃん!いつでもどこにでもいける!」とすぐに気持ちを切り替えて応募をした。

昼の部と夜の部があり、両部のチケットが取りたかったが新幹線の時間が夜の部では間に合わなさそうで、初めての一人旅なのでビビって昼の部のみ応募して新幹線を使って日帰りで大阪に行くことにした。

 

大学生の頃に大阪に1度友人数人と出掛けたことがある。そのときいわゆる「梅田ダンジョン」に遭難したことが記憶に強く根付いてる。キャリーケースを入れたロッカーにも辿り着けず、かなり迷って時間ロスをし、夕飯はなぜかラーメンを食べた(気がする)。

 

わたしは人に何かを聞いたりすることが苦手だ。そして人に舐められやすい、蔑ろにされやすいという自覚がある。だから一人旅でもそういう不快な思いをして自分自身のことが嫌いになってしまうのではないかという恐れもあって、最初は日帰りで行ってみようと新幹線のチケットだけとった。

 

 

メインは推しのイベントだったので、観光はほとんどしないつもりで行きたいご飯屋さんだけリストアップして、事前にその場所のアクセス方法やタイムスケジュールを決めた。

お土産のことはほとんど調べてなかったので、ここでリサーチしておくべきだったな、と後になってから思う。

 

 

10時台の新幹線に乗って昼頃大阪に着くというかなりのんびりなスタート。

新幹線改札前は大荷物を持った人たちでいっぱいだった。

最寄りから東京駅までICカードで来たので、新幹線に乗る時は切符2枚を通す前にICをタッチしなければいけないのだが、それがうまくできずに改札に引っ掛かる。同じような人がいっぱいいるのか、改札の向こう側には駅員さんが一改札に一人はいて大声で対応してくれた。

 

東海新幹線に乗ったのも久しぶりで、座席の硬さに驚いた。途中で親子連れが隣に座ってきて、隣になった小学生ぐらいの男の子はゲームをしたりドーナツを食べたりとかなりお利口で、偉いなぁと微笑ましくなった。あまりじろじろ見ない方がいいだろうと車窓側をずっと向いてたら首が痛くなった。ひとりで来たからというのもあるかもしれないが、東京から新大阪はめちゃくちゃ遠かった……。

 

 

新大阪から大阪って地味に離れてるんだな〜って思いながら乗り換え。あちこちから聞こえる関西弁や右乗りエスカレーターに「大阪来た感」を覚えながら移動して、最初に行ったのがルクアの中にある「串かつ だるま」。ひとりでも行きやすいチェーン店で、カウンター席がいっぱいあるところ……と考えてチョイスしたが、さすがGW、めっちゃ並んでた。

 

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これは列を区切るポールに貼ってあった串カツ田中のおじさんシール。これが大阪来て記念すべき最初の一枚。

 

元々ひとりで飲食店に行くのは大の苦手。初めて行くシステムがわからないお店でご飯を食べるなんて普段なら絶対できない。でも、わたしは今大阪にいる。旅先の恥はかき捨て!もう来ないかもしれないし!思い切って列に並んだ。ひとりで来てるおじさんも2人ぐらいいてちょっと助けられた。

 

2、30分並んで順番が来た。カウンターは2人席で区切られており、ひとりだと席を広々と使える。お得なセットもあったけど、わたしは食べたいものをバラバラに注文した。注文がスマホだけで済ませられるのもひとりで来てる身としてはかなりありがたい!

 

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並びながら「串かつって……近くにある串カツ田中でよかったんじゃないか?」って思ってしまったが、大阪で食べる熱々の串カツはめちゃくちゃ美味しかった。

 

串かつが美味しすぎておかわりもしてしまい、正直お腹は空いていなかったが次は新梅田食堂街にある「はなだこ」へ。御堂筋南口を出てすぐだったと思う。

このお店を選んだのは「大阪 女一人旅」でYouTube調べた時に色んな人が行ってたから。

 

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これは並んでる時に渡された注意書き。ここもめっちゃ並んでて、外国の人も多かった。串かつ並んだ時の自信があって恐れず列に加わることができた。

この店はねぎ盛りだくさんのたこ焼きが有名らしいけど、かなりお腹いっぱいで、ねぎもすごく好きなわけではないので普通のたこ焼きにした。

写真はないけど柔らかいトロトロのたこ焼きで美味しかった。でも、お腹が空いていればもっと美味しさを実感できたはず……あと食べるところは「カウンター」って書いてあったけど実際は「店員さんがたこ焼きを焼いているところをガラスで仕切ったときにできたその辺の縁(ふち)」って感じでかなり狭く、ガラス越しにたこ焼き製造中の店員さんと向かい合って食べることになる。店員さんはもちろんこちら側に興味のかけらもないと思うが、なんとなく食べにくかった。ゴミは捨てずにそのままでいいらしい。店員さん忙しそうだけど優しかったな。

 

 

思ったより時間が空いたので「露天神社」というところに行った。たこ焼きの待ち時間に近場で行きやすい神社仏閣を調べて出てきたのがここだった。

曽根崎心中」の元になった二人が境内内で最期を遂げたところとして有名で恋愛成就の御利益があるとされてるらしい。人もそれほど多くなく、ひとりで来てる女の人もちらほらいた。あとは天気も良かったのでかなり過ごしやすかった。

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「恋人の聖地」って観光スポットを認定するシステムがあるらしい。「恋人の聖地」って自然となるんじゃなくて、作られるものなんだ…。

 

職なし恋人なしのわたしはお参りをし、ここでも「旅先の恥はかき捨て!」と心の中で唱えながら絵馬を買って願掛けをした。

絵馬もお守りも色んな可愛い種類があったし、あちこちに心中した二人をイメージしたイラストや銅像が立ってたり、木彫りの干支の置物が飾ってあったりと、こぢんまりしてる神社だけどすごく楽しめた。

 

楽しみすぎてイベントに遅れそうになり、小走りで乗り換えをして会場に。

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これは会場の可愛いロゴ。

 

駅から会場までの複雑な道のりは有志の方が写真付きでルート案内をしてくれているサイトを頼りに行けた。このサイトがなかったらたぶん辿り着けなかった。助かりました。

 

イベントはめちゃくちゃ楽しくてあっという間に終わった。一瞬一瞬を目に焼き付けようとしても終わった後は「いやー最高!」の一言で完結してしまい、結局詳細の記憶がほとんどないのはどうしたら治るのだろう……。

 

流れで同じ推しグループのファンでTwitterのフォロワーさんや初対面の方とお話しをすることになり、ものすごく緊張したけどそれも楽しかった。

わたしはいわゆる「現地」というものをしたことがなかったし、SNS上で仲の良い人もほとんどいない。自分の容姿やコミュ力に自信がないので、オタク友達は作りたいと思ってもなかなか前に踏み出せなかった。でもここも勢いで行ってみたら意外と何とかなった。身の回りで同じグループを好きな人がいないため、生身の人間と推しの話をするという機会自体かなり久々ですごく嬉しかった。

 

 

新大阪に戻り、551の豚まんを買って帰ろうとしたが2箇所あるお店のどちらも今日一番の行列レベルで混んでおり、泣く泣く諦めた。意外と回転率が悪く、「新幹線は絶対に乗り遅れてはいけない!」という認識があったので並ばなかったが結局微妙に時間は余った。最初から並んでいればギリギリ買えたかもしれないが、そういう相談やお土産を分担して買いに行くなどができない点が一人旅のデメリットだなと思った。

 

でも、ずっと買いたかった「○△□」という大阪にしかないタルト屋さんで買い物ができて満足した。

https://bridge-mss.jp

お店が近くにある人、絶対行ってほしい!見た目も可愛くてパッケージデザインやコンセプトもオシャレだし、味もすごく美味しかったから!!もし関東に進出したらわたしはめちゃくちゃ通います。

 

タルト1個・パウンドケーキ1個・タルトを丸ごと1個使ったシェイクを購入。

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この辺で結構疲れてしまい、お土産もあまり買わずに新幹線の改札を通過したものの「せっかくなら駅弁食べたい」と思いホーム上の売店で柿の葉寿司を購入。裏面見たら製造奈良県で、最後の最後で奈良の名物買ってしまったことが判明。

 

柿の葉寿司もまぁまぁ美味しかったものの、串かつとたこ焼き、タルトシェイクでいっぱいになったお腹にとどめをさされ、帰りの新幹線は腹痛と吐き気との戦いだった。あと、日帰りで行くには新大阪から東京はめちゃくちゃ遠かった(2回目)

 

 

旅先の恥はかき捨て!という言葉をお守りにした大阪旅行は少しだけかもしれないけれど自分の壁を壊せた経験になって自信になった。

自分ってひとりでどこにでも行けちゃうんだ、ってことは不安でもあるけど辛いときの逃げ道にもなると思う。

今度は仕事を始めてから、また一人旅に挑戦してみたい。